第18話 安楽死

最近では、ヨーロッパの国々では安楽死を

合法的に認めている国が増えている。


特にスイスは他国の人も受け入れている。

日本人も何人も登録されている。


スイスで安楽死をした場合、遺骨は日本には持って変える事はできない。これは、日本側の

都合である。

故に、スイスで埋葬されるか?

殆どの日本人は散骨を望んでいると言う。

スイスの美しい川や湖への散骨であるらしい。


私は日本で安楽死が合法化されればいいと思っている。

死に方を自分で選択する権利はあると思う。

現在の医療ではどうにもならない痛みや進行して動けなくなっていくこと。

それが耐えられない苦痛なら、死んではいけないとか生きてれば何とかなるなんて

戯言を言う気にはならない。


かつて、私が病棟勤務の頃、あまりの苦しさに

窓から飛び降りた患者さんが何人もいた。


私達は夜勤の時になりなくない癌って何?と話をしたことがあった。

肺がんと膵臓癌と即座に意見は一致した。


これは闘病にモロに付き合った者にしかわからないと思うのだ。


人口呼吸器の酸素率を100%にしようとも

自身の肺が機能してないのだから、

息苦しさなんて解消されない。


膵臓の出す膵液は自分自身の臓器さえ溶かしてしまう。

その痛みは激しくて、鎮痛剤など気休めだった。猛烈な吐き気と痛みで一日中苦しみ、

眠ることさえできない。


何にもできない。

ただ、背中をさするだけしかできやしない。

それもナースコールが鳴れば、中断して

病室をさるしかない。




今は緩和ケアができたので、痛みや呼吸の苦しみに対しては麻薬をつかいながら、

少しずつ、意識をぼんやりさせつつ

痛みや苦しみを軽減できるようだ。


けれど、進行性難病はそれとは違うと思う。

緩和ケアは基本的に予後半年から一年と

診断されなければ入る事はできない。

進行性難病は、何十年とかけて少しづつ

人間としての機能を喪失させていく。


こんな夜中にバナナかよ

この映画のような生き方もありだと思う。

しかし、この主人公みたいな人ばかりじゃないのも事実。


選択肢があればいい。

どんな風になっても生き抜くのもいい。

もう楽になりたいと言うのもいい。


それは、個人がよくよく考えて決めたらいい。


日本と言う国は、選択肢を作ることが

実に下手くそだと思う。



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