第12話 妊娠すること

看護師も当然ですが、結婚して妊娠します。


私が病棟看護師の時代の話です。

まず、今年、誰か妊娠するかを師長に

相談します。


そんな馬鹿なと思うでしょうね。


出産、産休、育休となると欠員になりますが

それの人員補充はありません。

席だけは残してあるからです。


当然、人手不足のまま。

しかも、中堅あたりの人の場合、

抜けられるとダメージは大きいのです。


そこで、今年は誰さんね。

みたいな暗黙の了解ができてしまいました。


そーんな中、若手の出来ちゃった結婚⁉️

これは、非難の的になります。


妊娠しても業務の配慮も無く、ギリギリまで

大きなお腹で夜勤もやります。


当然、流産の危機に見舞われます。

たぶん、その頃、妊婦看護師の100%は

切迫流産の診断が出ていたと記憶しています。


切迫の場合、仕事を休んで安静にするか

入院です。


こんな状態なので、一つの病棟に二人も妊娠者が出てしまうとおめでたい気持ちと

激務がまってるので、何だか嫌になっちゃうのです。


妊娠と共に、一時パートになる人や退職する人もいました。

私も妊娠と共に外来パートになりました。


外来パートと言っても業務は同じ。

ある日の救急車の対応で心肺停止の患者さんが

運ばれて見えました。

その日は救急車が多く、バタバタで、、。

私は心臓マッサージを担当しました。


心臓マッサージはかなりの力が入ります。

ハアハア言いながら、とにかく医師が来るまでと必死でした。


その日、仕事が終わり、お腹が痛くなり

出血しました。

流産でした。

やっとつわりが治ったところでした。


悲しいのですよ。

でもね、こうして、みんな来たんだって

何だか、ぼんやり思いました。


今でも、妊娠順番はあるようです。

妊婦だからと業務も配慮されてないようです。


お腹が大きくなくても妊婦の看護師は

います。

つわりを隠してたり、お腹が張っても

顔には出さないでいると思います。




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