第7話 患者さんとのやり取り
看護師も一応、心理学を学んできます。
しかしですよ、現実の臨床の場において
そんなもん役に立ちません。
私が病棟で働いていた時代は、病名の告知は
家族さんと相談してからと言うのが
通例でした。
癌などの場合に、内科転科になると言うのは
当時、癌は摘出しか治せないと言う時代でしたので、あとは化学療法か対症療法で苦痛を
減らす目的になります。
初めから、手術は転移があったりしてできないとなれば、内科で対応になります。
初めからの関係ですと、入退院の中で
信頼関係を作りやすいのですね。
しかし、外科からの転科となると患者さんは
見捨てられたと言う気持ちになる人が多いのです。
外科は手術の順番待ちの患者さんを優先したいから仕方ないのですが。
患者さんのもやもやはかなりのものでした。
八つ当たりはきつかったです。
あとは病気へのカマかけです。
新人はこのカマかけに大いに悩まされます。
私もどう答えたらいいのか?
困って黙りこむ、ナースコースなったーー!
助かったーと逃げちゃうなんて事もありました。
経験を積むと
まず、患者さんのカマかけには引っかかりません。
患者さんの言葉だけを聞いてる訳じゃないんです。
表情、しくざ、目つき、声のトーンや大きさ
近日に何か変わったことがあったか?
あらゆる事を一瞬に頭をフル回転して
考えます。
そして、どう答えるか?
これも、何パターンも考えます。
この一言の返しで、その次どうなるのか?
そしたら、どう答えるのか?
これは、かなりの緊張を強いられます。
こちらの緊張感は見せたらアウトです。
こんなんしてるので、みんな胃が痛くなり、
胃カメラの検査してました。
私も常連でした。
胃が荒れちゃうんです。
こういうやり取りも身につくと、普段でも
そのモードにスイッチが入ってしまうことが
あります。
本当は嫌なんですけど。
なんせ、脳性疲労が激しいので。
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