春ノ巻 穴見と花見 7
一九は
「それにしても、
「
一九の
「一九の持ってるそれってなに? また
「いえ、今回はお酒ではなく、宿場町で手に入れた
「筍! いいね。
「喜んでもらえますかね?」
一九は
「頭領は何でも喜ぶよ。俺も筍は好きだし。それに食べ物なら、お
「お六姐さん? 女性妖怪がおられるのですか?」
一九の疑問に、鎌鼬はまたしても呆れた視線を送る。
「なに言ってんの? いるに決まってるでしょ。じゃなきゃ、どうやって子孫を残すのさ。
「あ、そうなんですね。失礼いたしました」
一九が頭を下げて謝罪をすると、鎌鼬は
「謝られるほどのことじゃないよ。一九は妖怪について、よく知らないだけでしょ」
「えぇ。なので、交流していく内に、
「一九が初めて来たあの時は、一九が危険人物の可能性もあったから、女性と子どもたちは
「さっきもですが、変人扱いなのは
「だって、本当のことじゃん。それからお六姐さんは、頭領の奥方だから」
「ええ!?」
一九は見越に妻がいるとは想像もしていなかったので、驚きの声をあげた。鎌鼬は肩をすくめる。
「びっくりでしょ。あんな抜けてるのに、俺たち妖怪の頭領になれて、しかもすごく美人な奥さんまでいるんだ。世の中、不思議だよね」
一九は鎌鼬の頭領であるはずの見越の扱いが雑なことに、苦笑をこぼす。
「あー!」
突然上がった
「おや、きみたちは」
小さな彼らは、一九が最初に見つけて追いかけた妖怪たちだ。一九は3匹に、目線をあわせるようにしゃがむ。
「あのときは、急に追いかけて、すみませんでした」
「ほんとだよ!」
「いきなりでぼくたち」
「すげぇこわかったんだからな!」
3匹に怒られ、一九はもう一度、「すみません」と謝る。しかし鎌鼬は冷めた目で、3匹を見下ろす。
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