新しい匂いー10
「僕は、
よろしくお願いしまーす」
随分軽い奴だな!
「どうも!よろしく」
「お名前教えて貰えないんですかー?」
「あぁ、川瀬 翔です」
「なんかカッコイイですね!
もしかしてハーフですか?」
「ハーフではない。クオーターだ。
ママがハーフだ」
この軽いノリに、俺は上手く返せない。
まるでカーリーのような喋り方だ。
「一緒にランチしてもいいですか?」
「どうぞ」
「なんだか、周りは10代ばかりで居心地悪くて。
年上ですよね?
いくつですか?」
俺には、お前も同じだよ。
「28」
「どうして、また理学療法士の専門学校に?
しかも、ここは3年制だから、キツいらしいっすよ。
大学とか他の4年制の専門学校受かった奴らは、みんなそっち行っちゃったらしいっすよ」
「空はどうして、ここにしたんだ?」
「いきなり呼び捨てっすか?
でも、なんか嬉しいな」
空は、どことなく女の子っぽい。
「僕ですか?
少しでも早く理学療法士になりたくて。
僕は前職は保育士で、僕のいた保育園は障害児を受け入れるクラスがあって、僕はそっちを希望したんですけど、保育士の資格だけではだめで、介護の資格が必要で、でも、ある障害児のお母さんに、子供専門の理学療法士が少ないって話を聞いて。
それと、お姉ちゃんかなー。
脳性麻痺なんで」
見た目も喋り方もチャラい第一印象だった空に、一気に親しみとか興味が湧いた。
そして、尊敬の念さえ覚えた。
「お前、えらいな!
色々な物が見えてるんだな」
ーShowー
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