　レコーディング機材は、俺達が今までロンドンで使っていたものは、慣れ親しんでいてしっくりきていたが、最新とは程遠かった。

それでも、ライブとかアナログにもこだわっていたから、それで十分だった。

最近のものはコンパクトで、下手すればパソコンが一台あればできてしまう。

師匠であるTAKAさんや宇田川さん、そして、スタジオを作ってくれた専門家の意見を聞いて検証中だ。

コストの面もあるので、時にはレンタルや中古品を譲り受けたりもある。

大きなミキシングコンソールは、当初迷ったが、これに慣れてしまっている俺達はやっぱり欲しい。

スタジオを廃業するというTAKAさんの知人から譲り受けた。

お金の事考えるとか、

ケチるとか値切るとか、

ましてや人の忠告を聞くとか、

そんな経験が、俺の何かを変えている。

俺の中に、日本に帰ってきてから培った経験が新しくインプットされている。

俺自身も感じ始めていた。

そして、最近よくこう言われる。

「お前、最近丸くなったんじゃないか？」

　レコーディング第一弾として、ホワンの新曲から始める。

自分達のやりたい音楽を追求させる。

俺達が、そうだったからだ。

そして、妥協を許させなかった。

「レイ兄さん、ちっとも丸くなんかなってませんて」

ーRayー

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