美由紀の事情ー7
翌日、会社で美由紀に会う。
いつも通り、昨夜の事はなかったかの様に振る舞う美由紀。
それどころか、いつもより厳しい。
昼休み、お弁当を広げようとしている美由紀を、「少しいいか?」と言って、俺の家に連れ出した。
「なんなの?」
「昨日の事ちゃんと説明しろよ」
「お昼休みは短いのよ。
お弁当食べさせてもらうから」
と言って、お弁当を広げた。
俺は、冷蔵庫から残り物を出して、電子レンジに入れた。
「離婚するのか?」
「杉崎くんには関係ないから」
「DV夫なのか?」
「暴力はないわ。
物を投げつけたりとかはあったけど」
「モラハラって奴か?
よくわからんけど」
「どうなのかな」
「ママは、前から知ってたんだな?」
黙り込む美由紀。
「杉崎くんは、これ以上関わらないで」
「子供達のことも心配なんだよ」
「だからこそよ」
「どういう意味だ?」
「あなたが出てくると、余計こじれちゃうのよ」
「なんでだよ?」
「夫が、あなたの事、私の彼氏だと思っちゃったからよ。
何度言っても私のこと美由紀って呼び捨てにするし、子供達も懐いちゃったからよ。
調停とかに持ち込まれちゃったら、子供達を取られちゃうかも知れないの。
だから、もう放っておいて!」
俺が事態を悪くしているのか?
「俺は頼りないばかりか、状況を悪化させてる張本人なのはわかるけど、お前らの味方なのは覚えておけ!」
「大丈夫よ!今までだって、ひとりで頑張ってきたんだし」
「おい!ひとりで背負い込むな!
俺達を頼れ!」
「俺達って?」
「副社長や会社のみんなだよ」
「巻き込みたくないのよ」
ーRayー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます