フランスへー5

 ケイトは、時差と広過ぎる部屋のせいか、変な時間に寝てしまった。

夜9時頃、私もベッドに横になってウトウトしていたら、ルーが帰ってきた。


上着も脱がず、ベッドにダイブし、私の背中を抱きしめ、私の頭の匂いを嗅ぐ。


「私疲れてるの」


「そのままでいいよ」


そう言って、私のあちこちの匂いを嗅ぎまくるルー。


「なんだか、犬みたいだよ」


「この匂いが懐かしい」


「ちゃんとお風呂に入ったよ」


「ふふ」と笑いながら、私を仰向けにして、キスをする。 

この感触が懐かしい。

しばらく抱き合ったり、キスしたり、お互いの匂いを嗅ぎ合ったりした後で、ルーはシャワーを浴びに行く。


裸で戻ってきたルーは、私の服も剥ぎ取って、裸の私をただ抱いた。

お互いの温もりを感じ合って、ただそれだけで良かった。

その日は。


 翌日からもほとんど昼間出かけていくルー。

私とケイトは取り残され、秘書のサラが、ほとんどの面倒をみてくれた。

観光にも連れて行ってくれた。


 そんなある日、ケイトに大量のおもちゃと洋服が届いた。


「誰から?」


「監督のおばあ様からです」



ーKerlyー

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