フランスへー6
その日遅くに帰ってきたルーを問い詰める。
「ルーのおばあ様から、ケイトにおもちゃとか洋服が送られてきたけど、私たちの事話したの?」
「うん!
こっちにいる間に会ってほしい。
おばあちゃんも会いたがっているし」
「私たちの事、何て言ったの?」
「俺の愛してる人とその娘。
なんか不満なん?」
私は、ルーの家族に会うとか考えてもいなかった。
「不満とかじゃなくて、心の準備ができてない。
だって、私たちこういう関係になってから、まだ3ヶ月だよ」
ルーは、真顔で私を見つめる。
「そんなに気負うことないよ」
「だって、私なんかだよ」
「また、そういう言い方をする」
ルーは、私の頬に触れ、覗き込む。
「俺は初めてなんよ。
おばあちゃんに誰かを会わせたいって思ったの。
愛してる人に、愛してる人を会わせたい。
ただそれだけや」
彼の気持ちは嬉しいような、プレッシャーなような。
ここに来てから、私は完全アウェイだ。
日本にいた頃、ルーは、ヨレヨレのシャツに穴の空いたジーンズに、ボサボサの髪は結えるだけだった。
なのに、今は、パリッとしたシャツにスーツとか、ラフな服装でもオシャレだ。
長い髪も、いつもセットされている。
私、完全に場違いじゃない!
ーKerlyー
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