18歳の頃ー8

 自分達なりに少しずつ機材を使いこなし、翌週末TAKAさんと八木さんがやってきた。


 手持ちのオリジナル曲は、当時すでに30曲はあった。

その中から10曲をすでに選んでいたが、TAKAさんは、もう一度全部聴かせろという。


「どれもこれもお前たちらしい曲だけど、ここまで同じテイストの曲が続くと、全部同じ曲に聞こえてしまう」


「バラード曲を、何曲か作ってみろ」


「それと、パソコンで、エレクトロニックロック系作ってたよな。それも全部聴かせろ」


ここから、また構成をやり直すという。



 レイちゃんは、こういう時、誰に対しても平気で反論する。


「でも、このドラムンベースの爆音系、歌は二の次が、俺たちらしさであって!

これを全面に出していきたい」


そう言った。


「3人とも、そうなのか?」


「俺は、前から言ってるけど、音は重いままでのバラード曲があってもいいと思う」


俺が、そういうと、レイちゃんは睨みつけてくる。


「お前らの曲は、カーリーの辛辣な詩も、一つの特徴だと思う。

それを爆音で掻き消してしまうのも、勿体無いな」


「君たちは、ある意味オールマイティだ。それも、ひとつの特徴だ。

そこも生かして、色々な要素も入れてこそ、君達らしい爆音が映えるんじゃないのか」


さすが、何十年もこれで飯食ってる人だ。


レイちゃんは、唇を尖らせていたが、納得はしていた。


ーShowー

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