18歳の頃ー7
翌日、八木さんは東京に帰る。
TAKAさんのスタッフの宇多川さんも、その翌日までだ。
私たちだけで、何ができる?
なかなか前に進まない。
なぜ、八木さんはメジャーのお仕事辞めないのか?
なぜ、私たちはインディーズでのデビューなのか?
その頃は、まだわからなかった。
昨日レコーディングしてみた1曲に、アドバイスをもらい、少しアレンジを加えたり変更したりしてみた。
機材の使い方は、まだ完璧ではないが、新しいおもちゃ感覚で、3人とも興奮気味。
宇多川さんが帰った後も、3人で色々試してみる。
結局、かなり夜遅くなってしまった。
レイちゃんとショウくんは、帰って行った。
今日から、また1人だ。
どうしよう!
1人になった途端落ち着かない。
その時、チャイムが鳴った。
飛び上がった。
怖い!
出ない事に決めた。
すると、外から、大きな声で誰か叫んでいる。
「カーリー!開けろ!俺たちだ!」
鍵を開けると、コンビニの袋を携えたレイちゃんとショウくんがいた。
「帰るの面倒くさいから、泊まるわ」
「どこに寝るつもり?」
「ベッドとソファベッドあったじゃん」
「ベッドは、私が寝るんだよ」
「そういえば、ブースの前にもソファあったよな。それ持ってこようぜ」
冷蔵庫を物色するレイちゃん。
「見てみろよ!缶ビールあるぜ!」
「ダメだよ!未成年だよ、私たち」
会議の為のテーブルで、酒盛りが始まった。
ダメだよーとか言いながらも、少し嬉しかった。
これで、今日は怖くない。
ところが、
布団とか着替えとかも持ってきて、2人は居着いてしまった。
ここから、8年間も生活を共にしている私たち。
ーKerlyー
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