強すぎる想いー5

 翌日夜遅くなってから、2度も来客がある。


10時頃、チャイムが鳴った。

レイちゃんだ。

ドアを開けて、「どうぞ」と言う。


手には、バーボンのボトル。

それを受け取り、私は言う。


「私は、謝らないからね!」


「なにー?」


「大きな声出さないでよ!ケイト寝てるんだから」


「すまん」


「だいたい、なんなの?2人して」


リビングの扉を開けると、先に来ていたショウくんが、ビールを飲んでいる。


「少し話がしたかったんだよ」


気まずそうな顔をして、レイちゃんが言う。



「酒を飲ませて、私に何を言わせたいの?

それとも、欲求不満の私の相手でもしてくれるわけ?」


「マジぶん殴りたい!」


「そういえば、レイちゃん、マジでぶん殴った事あったよね」


「ああ!あの時は、後になってから、コイツ女の子だったって思い出して、青ざめたよ」



私とレイちゃんはバーボンをストレートで、

ショウくんはビールで、


いつもの調子で、2日続けての飲み会が始まった。


 こんな風に、憎まれ口叩いたり、怒らせたり出来るようになったのは、日本に戻ってきてからかもしれない。


それまで、私は、この2人に着いていくことしか考えていなかった。


だって、私には、

レイちゃんは、天才ドラマーで、

ショウくんは、天才ギタリストで、

この2人と一緒に音楽をやれることが、なによりの誇りだから。



ーKerlyー


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