欲望なの?愛なの?ー16

 泣きながら少し眠ったらしい。

電話の音で目が覚めた。


ルーからだ。

少し迷ったが、電話に出た。



「ハイ!まだ寝てた?

そっちは、まだ朝やろ?」


電話で話している不自然さに、涙が流れる。


「カーリー!聞いてる?カーリー!」


泣きじゃくる私。


「泣いてるの?」


「ごめんな!泣かせてばかりやな」


「さっき、社長に謝りにいってきた。怒られたわ」


「明日から、さっそく仕事や」


「ケイトは、元気か?」


「声聞きたいから、毎日電話するよ」


「聞こえてる?」

 

次から次に涙が出て、何も喋らない私。

1人で、取り繕うように喋るルー。


私は、ぶーんと鼻をかむ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る