欲望なの?愛なの?ー14
お互いの気持ちも充分話せぬまま、答えもこれからの方向もわからぬまま、私はシャワーを浴びて、早くにベッドに入った。
涙が止まらない。
時折、体を起こして、鼻をかむ。
ルーは、明日の帰国の準備をしている。
シャワーを浴びて、伸び切った髪の毛をドライヤーで乾かして、リビングのライトを消す。
「泣かせて、ごめんな!」
と言って、私の背中を抱いて横になる。
久しぶりのセックスのない夜。
添い寝だけだ。
翌朝、果穂ちゃんが、ルーにお別れを言いにきた。
9時頃、ショウくんのママが、ケイトを連れてきてくれた。
少しでも、ルーと過ごさせてあげたい。
レイちゃんは仕事、ショウくんは唄のリハビリ。
気を利かせているつもりだろう。
お昼前、オスカーが迎えに来た。
ルーは荷物を持って、家を出る。
エントランス近くに停めてあるタクシーにスーツケースを乗せる。
ケイトをしばらく抱きしめて、キスをする。
「Je t'aime」
そして、私の唇にキスをする。
今までの様なキスではなく、寂しさが増すだけのキスだ。
そして、私たちをきつく抱きしめ、手を振って背を向けた。
ケイトは、にっこりと「バイバイ」と言った。
もう会えないかもしれないのに。
私たちは、終わったの?
元には戻れないの?
タクシーが走り出すと、私は泣き崩れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます