欲望なの?愛なの?ー13
この日は、ケイトをショウくんの家に預けて、ルーと2人で家に帰る。
無言のまま。
怒りは収まったが、整理がつかない。
ルーが、テーブルの椅子を引いて
「ここに座って!」
と言う。
話し合いは避けられない。
従った。
「Je t'aime」
涙が静かに流れる。
でも、私は、こう言った。
「本当に愛なの?
欲望だけじゃないの?」
「私は、どっちなのかわからない。」
「それに、自分がやりたい事を、そんなことの為におざなりにするなんて、私は嫌」
「そやな!」
「こんな男は嫌やな!俺もや!」
「少し考えたかったんや」
「一緒にフランスに来ないか?」
答えはわかっていた。
「私には無理。
レイちゃんとショウくんの近くにいないと、私にはなんの存在価値もない」
「それは違うで、カーリー。
お前は、ケイトのママであり、俺の愛する人や。
それだけでは、あかんのか?」
「それに、俺は、お前にミュージシャン辞めてほしいとは思ってへんで」
「1ヶ月おきでも、いや、2週間おきでもいい。
お前から、フランスに来ないか?
俺は、しばらく日本には帰れへんと思う。」
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