欲望なの?愛なの?ー9

 俺は、カーリーが教習所に行っている間、ケイトを連れてショウの家に行った。


「ショウを、ちょっと借りてもいい?」


バアバ達にそう言って、近所のカフェに行った。



「俺、カーリーとセックスした」


「ふーん」


「ふーんって、なんやねん?」


「ねぇ!英語で話さない?」


ふと見ると、隣や向かいの席の女性客達が、息を潜めて聞き耳を立てている風だ。




「外国人が関西弁で話してるだけでも目立つのに、いきなりセックスの話って」


「どう思う?なんか罪悪感みたいな物があるんだけど」


「初めてだったんだ。ロンドンにいる頃から、そういう関係はあるんだと思ってた」


「罪悪感って?」



「ずっと妹のように思ってたのに、いけないことしてるんじゃないかって」



「妹って、ルーが勝手に思ってるだけじゃない。

ずっと一緒に寝ていて、今までなかった方が不思議だと思うよ」 


「まあ、ルーやカーリーのことよくわかってるから、俺たちは」


「2人とも、誰かと付き合うとかそういうの、ずっと避けてたじゃん」


「お互いがいるからって、そういうのあったんじゃない」


アイスコーヒーをストローでズズーっと音を立てながら、ショウが言った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る