欲望なの?愛なの?ー3

 「キスしてもいい?」


私、なんてこと言っちゃったんだろう。

ついつい口をついてしまった。


酒も飲んでないのに。

酒がないと、キスなんかできない。

お喋りですら、緊張しちゃうのに。


ルーは、変な顔をして、唇を突き出してきた。


「ほら!早よ!」


私は、変に意識してしまって、ますますキスできない。

恐る恐る唇を近付けるが、あと数センチ。


ルーの方から、私の唇に軽く触れてきた。


「今のは俺からやからな!ほら!」


くそっ!

ルーの下唇に吸い付いてやった。 


唇を離す時に、

「チュ!」て小さな音がした。


その小さな音に、唇が熱くなるのを感じた。

なんなの、この感覚?


視線が合った。

何秒か見つめ合ってしまった。


私は、恥ずかしくて、目を伏せ、ルーの肩に再び顔をうずめた。


ルーが、私の髪を再び撫でる。

そして、頭に唇を寄せる。


しばらくして、

肩にうずめた私の顔を手で押し上げる。


額にキスをする。


そのまま、彼の唇が降りてくる。

目に、頬に。

鼻と鼻が触れ、しばらく戸惑っている。


私は目を閉じる。


ルーの唇が、

何度か、

躊躇うように、

私の唇に優しく触れる。



そして、ゆっくりと濃厚なキスが始まった。

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