パパ友ー5

 平日昼間は、オレが家事育児担当だ。

奥様が仕事から帰ってきたら、オレは近所の居酒屋チェーン店にバイトに行く。

こんなオレを、奥様は、何も言わずに食わせてくれる。

でも、そろそろ限界らしい。


オレは、売れない芸人だ。



 いつもの公園に行くと、いつものママ友集団がいる。


今日は、そこに新参者がやってきた。

黒ずくめにサングラスの奴が、ベビーカーを押して入ってきた。

そして、砂場で、ママ友集団の洗礼に遭っている。

彼女達は、この小さな公園の主だとでも思っているのか、新参者をいたぶる傾向にある。


まあ、オレは口八丁でうまいことやって、負けてはいないけどな!


 若くしてできちゃった婚でもしたヤンキーかなと思った。

だが、英語で喋っている。

何者なのか興味が湧いた。


ひさびさのパパ友だ。


「にほんごわかりますかー」

と尋ねてみたら、日本人だった。


しかも、マミーと呼ばれている。


たしかに、よく見ると可愛らしい顔はしている。

でも、佇まいは男の子だ。


女の子みたいな男の子なのか?

男の子みたいな女の子なのか?


話のネタにでもなるかと思って、質問攻めにして、次に会う約束まで取り付ける。


 しかし、この出会いが本当にネタになり、オレの人生が変わっていく。

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