帰国〜ショウー5

 真澄のパパと俺の両親がロンドンに着いたのは、翌日の朝だった。


ロンドンで火葬して、日本で葬儀をすることになった。

俺は一時帰国した。 

葬儀のことは、ほとんど覚えていない。

レイちゃんパパが来てくれていたのだけは、うっすら覚えている程度。


葬儀の後、俺はボスとロンドンに帰る。


真澄の両親は、真澄をひとりにしておけないと言って、日本に残ることになった。



 ロンドンに戻って、まずスタジオハウスに行った。


レイちゃんとカーリーが、それぞれ練習していた。俺の姿をみて、走り寄って来た。


3週間後から、またツアーが始まる。

ギターを手にした。


カーリーのベースから始まる。

あの曲だ!

レイちゃんのドラムが轟く。



でも、

俺は、真っ白になった。

何も思い出せない。

指が動かない。



演奏が止まり、シーンとなった。



俺は崩れ落ちた。



しばらくして、レイちゃんとカーリーが俺を抱きしめた。


その夜、3人で、同じベッドで寝た。

3人で一緒に過ごした最後の夜だ。



そして、俺は、それ以来ギターを弾いていない。

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