姉妹の秘密

姉妹の秘密ー1

 お姉ちゃんが起き上がった。

私は、その隣に座った。


「お姉ちゃんは、お母さんが来て、怖かったんだね?私もだよ。」


「もう大丈夫だよ!お父さんが連れて帰ったって。」


姉はまた泣いた。


「お姉ちゃん、辛い思いしてたんだよね?

私気付いてたけど、何も出来なかった。

ごめんね!」

 

「果穂ちゃん、謝らないで!」


「お母さんは、お姉ちゃんにいつも酷い事言ってたよね?

叩かれたりもしてたよね?」


「果穂ちゃん、もういいよ!」


「もっと酷い事もされていたの?」


「果穂ちゃん、もうやめて!」


「背中から血が出てる時あったよね?」


「お願い!もうやめて!」


私はやめなかった。

私にも覚えがあるから。


「隣のおじさんとお天気のこと話していただけで、誘惑してた、汚らわしいと言われて、往復ビンタくらったことあるよね?」


「入浴中に入ってきて、大人の女の体だ、汚らわしいって言って、掃除用のブラシで叩かれた事あるよね?」


お姉ちゃんは、頭を抱えて、


「ノー」


っと叫んだ。


私の目からも涙が流れていた。





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