俺たちの出会い ー11

 その一連の事件があってから、カーリーには嫌がらせがなくなった。

同時に、話しかけてくる人もいなくなった。

俺とショウとちゃーちゃん以外。

俺とショウも、プライベートに関しては話さない。

音楽のことだけだ。 


前よりヤバイ奴扱いだ!


それでも、成績トップグループは維持し、無表情で何も変わらない。


 ただ、カーリーが森で毎晩ギターの練習をしていると聞いて、俺は自分の甘さを思い知った。

バンドのスキルがなかなか上がらない事を、始めたばかりだからと言い訳したり、女の子にもてはやされて浮かれてもいた。


そこまでやるカーリーに、悔しさを覚えた。


 ショウも変わった。

メンバーにギターやベースを教えるだけではなく、自分のギターのスキルを上げる為の努力をはじめた。

ドラムやキーボードまで手をつけ始めた。


 これを機に、俺たちは、ガムシャラに音楽に向き合い始めた。

やり過ぎるほど。


持って生まれた気性の荒さと我が出るようになり、俺もヤバイ奴になっていく。


 中3になり、皆受験のことがついて回る。

夏休み辺りから、山田は塾があるからと練習に来なくなり、最後まで残っていた木下君も、


「俺ずっと応援してるから、プロになれよ!」


と感動的な言葉を残して辞めて行った。



 カーリーをバンドに入れるしかなくなった。

受験を控えながらも、ここから、俺たち3人は、音楽に対して目の色が変わった。

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