俺たちの出会いー10

 翌日の深夜、カーリーとちゃーちゃんは家を抜け出し、神社で泣きながら話していた所を補導されたらしい。

家族に知れたら殴られると言って、校長先生に連絡をして引き取ってもらったらしい。


 4日後やっと登校してきたカーリーとちゃーちゃんは、何食わぬ顔で練習場に来た。


 俺達から話を聞いていた親父と母が、ふたりを外に連れ出し話をしている。


ちゃーちゃんは号泣。

カーリーは、いつもの無表情の目から大粒の涙を流している。


 俺達は、練習場にいて、耳をそば立てているが断片的にしか聞こえない。


ちゃーちゃんが興奮して大きな声で一人で話している。


お母さんが出て行った

酒乱の父親

夜の街を徘徊

死のうと思って、森に行く

カーリーに出会う

カーリーに止められる


ついでに、カーリーの事も代弁している。


虐待?

自殺未遂?

音楽に出会えた

毎晩森でギターの練習をしている

ちゃーちゃんを練習場に誘う


 おぼっちゃま育ちの俺とショウには、その頃はまだ、理解し受け入れるのは難しかった。




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