第52話「タコ」

「知ってるか村上くん。昔は正月に凧を上げてたらしい」


 初詣の帰り、たこ焼きを頬張りながら西森さんが言う。今日は西森さんの親戚のお姉さん、心愛さんが車を出してくれてる。


「聞いたことはあるけど、見た事ないなあ。今だと電線も多いし上げれそうな敷地もないもんね」


「そうだな、私も実際には見た事ないな。でもちょっと楽しそうじゃかいか?今で言うドローンみたいで」


「あー。凧も軍事利用みたいな所あったらしいもんね、ドローンといい、人間は空から制したがるね」


「しかし何でタコって言うんだろ、イカじゃダメだったのかな?」


「昔はイカのぼりって呼んでたらしいよ。イカのぼりが禁止になってタコになったらしいよ」


「マジで?何で禁止になってイカからタコになったんだ!?」


「イカのぼりが流行り過ぎてトラブルが多かったらしいよ。んで、イカの足を減らしてイカじゃない、タコだ!って事にしたのが定着したらしい」


「昔は凄いな!そんな屁理屈がまかり通ったのか!」


「まあそう言う説があるって話だけどね」


「確かにタコもイカも同じ様なもんかもな」


「でも、もしそのたこ焼きの中がイカだったら怒るんじゃないの?」


「それは…怒る!」


 今日の西森語録「タコもイカも同じ様なもの」


 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る