第51話「大晦日」

「本年は大変お世話になりました!来年も世話して下さい!」


 年末大晦日、西森さんが晴れ着姿でお辞儀する。深夜、どんぐりを拾った神社に年越し初詣に来てるんだけど…何だろ、西森さんが凄く大人っぽい、晴れ着のせいか?


「何だよ世話してくれって。こちらこそお世話になりました」


 まあ、知り合いの保護者もいるから深夜に二人きりでって訳じゃないんだけど。


「しかしだ村上くん。大晦日おおみそかって事は小晦日もあるんだろうか?」


「小晦日ではないけど普通の晦日みそかはあるよ。そもそも晦日って本来なら月末の30日の事なんだ」


「えっ今日31日だよ?じゃあ晦日でなくない?」


「まあ、昔は新月を1日として約30日で新しく新月が来てたからね、だから1か月30日で最後を晦日って言ってたんだよ。つまりは月末。んで、今日が一年の終わり、最後の晦日だから大晦日だよ」


「そうなのか!味噌カツの味噌じゃないんだな」


「30日で晦日だから30歳を三十路みそじって言うのもそこから来てるらしいよ」


「30ってなんか特別な意味があるっぽいな。30歳になったら私達は何してるんだろな」


「あと十数年あるからまだピンと来ないけどね」


「案外、まだこうやって馬鹿な話をしてるかもな!」


「そんなは気する…」



 今日の西森語録はお休み。


 皆様、良いお年を。


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