第50話「クリスマス」
「寒いな!今日も!」
買った本で重くなった鞄を抱えて西森さんが今日も吠える。
「本格的に寒さ到来だね」
冬休み、うちでゴロゴロしてたら西森さんに誘われて本屋に来たんだけど。
「見ろよ村上くん。サンタだ」
本屋の帰り道、駅の商店街でサンタの格好した人がチラシを配ってる。クリスマスだから何かイベントでもしてるのかも知れない。
「なあ村上くん。何でメリークリスマスって言うんだろな。メリーて言うのは日本だけで外国では言わないらしいぞ」
「え、そうなの?」
「まずメリーってなんだよ、ヒツジかよ」
「…羊もメリーさんの羊であって羊の名前がメリーじゃないよ」
「まあ、メリーは名前じゃなくて楽しいとかおめでたいみたいな意味らしいけどね。海外ではハッピークリスマスとかハッピーホリデーとか言うんだよ。メリークリスマスって言うのは日本くらいらしいよ」
「そうなんだ、意味としては似たような感じなのに面白いね。なんで日本だけなんだろ?」
「さあ…そこまでは知らないけど。でも日本だけって言うなら恋人とクリスマスを過ごすってのも日本独特じゃないか?海外は家族と過ごすっての聞くし」
「確かに。何だろね、何でも取り入れる日本だけど微妙に海外とズレてるとこあるね」
「思うにやっぱ島国だからじゃなかろうか?日本は島国だから他と比べて何でも独自の路線で行きたがるのかも」
「良し悪しは別としてあり得そう」
「まあ、楽しければメリーでもハッピーでもどちらでも良いけどな!あ!村上くん、ケーキ食って行こうぜ!あのサンタのチラシ、そこの喫茶店の割引券みたいだ!せっかくのクリスマスだ、クリスマスらしい事もやっておこう!」
今日の西森語録「日本は島国だから独自路線で行きがち」
メリークリスマス!
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