第49話「走馬灯」
「村上くんは走馬灯見たことあるかい?」
学校の帰り道、西森さんが聞いてくるが…待って、それって死にかけた事あるか?って意味?
「な、ないけど?」
「ないのか。私もないけど、実は一つの仮説を立ててみたんだ」
「仮説?」
「そう!何故、人は死の間際に走馬灯を見るのか!そもそも走馬灯って今までの人生がハイライトの様に頭に流れるんだろ?」
「まあ、見た事ないけどそう言うね」
「つまりだよ、村上くん。死に際して今までの経験が流れると言うのであれば、それは生きようとする意思なんだよ!だって死にそう!って時に見るんだよ?過去の引き出しを掻き回して、生き残る手段を探してるんじゃなかろうか?」
なるほど、病気は仕方ないが事故とかアクシデントなら過去の記憶からその一瞬を打開する方法を瞬時に探してるのか。
「あり得そう。まあ、役立つかわからないけど可能性はあるね」
「まだ死にかけた事はないけど、それを意識して生きていれば助かる瞬間もあるかも知れない!」
「でもまあ、走馬灯って実は影絵の事だけどね、『走馬灯のように』記憶が蘇るのであって思い出す事自体は走馬灯じゃないんだよ」
「え、マジ?じゃあ何て言うの?」
「…知らない」
「えー…」
今日の西森語録「走馬灯は生きる力」
まあ、しばらくは見ないで済むに越した事はないけどね。
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