第48話「ブラックコーヒー」

「村上くん!?そ、それはブラックコーヒーでは!」


 昼休み、サンドイッチを食べながら缶コーヒーを飲んでたら西森さんが叫ぶ。


「え、ああ、ブラックだね。缶コーヒーだけど」


「村上くんはブラックでコーヒーを飲める人なのか!しかも無糖じゃないか!完全なる黒じゃないか!」


「ん、まあ、飲めるよ。割と好きかも」


「そんなめっちゃ苦い飲み物よく飲めるな」


「最初は徹夜で勉強してた時に眠気覚ましに飲んでたんだけどね。何だかクセになって時々飲んでるよ」


「いやいやでもブラックコーヒーってめっちゃ苦くね?苦すぎるでしょ」


 そう言えば西森さんはせいぜいコーヒー牛乳くらいしか飲んでるの見た事ないな。


「いやでも緑茶だって苦いヤツあるよ?それも飲めないの?」


「……飲めない」


「相当苦いの嫌なんだね」


「うう…病院の薬もなるべく甘いのにしてもらってるくらいだからな」


 意外、というか割と可愛いとこあるな、西森さん。


「だいたいあんな苦いのを飲むとか罰ゲームじゃん!全然良さが判らない…それとも、もっと大人になれば私もいずれは飲んだら美味しいって思える様になるのか?」 


「それは…好みや嗜好だから個人差もありそう」


「しかし不思議過ぎる…同じ人間なのに何故こんな苦いのが飲める人類がいるのか…」


「そこまで言うほど!?」



 今日の西森語録「ブラックコーヒーは罰ゲーム」


 まあ、万人が好むものではないかもだけど言い過ぎじゃない?

 

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