第53話「お薬」
「冬休み…終わってしまったな…」
朝の下駄箱、まるでこの世の終わりが来たかの様にテンションが低く哀愁漂う西森さんが言う。
「おはよう。まあ、今日から学校、頑張ろうよ。ところで体調は大丈夫なの?」
冬休みが終わる直前、一緒に本屋に行こうと約束してだけど、西森さんが体調崩して中止になり今日初めて会うんだけど。
「それ!ちょっとした地獄だったよ村上くん!結論から言うと胃腸炎だったんだけど、もう汚い話、食べるのも飲むのもままならなくて!吐くし出すしで酷い目にあった!」
「うわあ、災難だね…」
「でもさ、凄いよね…なんか点滴したらけろっと治ったんだよね。医学って凄い」
「あー。わかる。風邪とか熱も薬で下がるし。んで治ったと思って調子にのるとぶり返すまでがセット」
「それな。しかし薬って色々成分があるじゃん?昔はそれこそゲームみたいに薬草とかだったらしいし、虫や鉱物まで試したとか」
「それだけ切羽詰まる状況だったんだろね」
「そうやって何が効くか調べて、さらに薬草なら薬草のどの成分が効いてるかも調べて、それを取り出したのが薬なんだろな。まさに、人類の叡智だよ、もし薬がなかったら私死んでたよ」
「いやさすがに死にはしなくない!?」
今日の西森語録「薬は人類の叡智」
でも確かに昔なら死ぬ様な病気が薬で助かるもんな…過去の偉人に感謝しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます