第42話「スマホ」

「聞いてくれ!村上くん!!」


 朝の下駄箱でテンションの高い西森さんに声をかけられる。西森さんがテンション高いのはいつもの事だが今日はさらに磨きがかかってるな?


「いや、見てくれ村上くん!」


 そう言って差し出す右手にはスマホが!


「スマホじゃん!ついに買って貰えたんだ!来年とか言ってたのに!」


「そうなんだよ!この前従姉妹が来た時に優愛ゆうあちゃんと心愛ここあちゃんがさ!今時高校生がスマホないのは可哀想だって言ってくれてさ!二人の圧に負けたのか、ついにママが許可してくれたんだよ!」


「それは二人に感謝だね、良かったよ」


「しかし初めて自分で使ってみたがスマホって凄いな?何故この画面は指で動くんだ?タッチパネルってヤツだな?」


「ああ、指で反応するやつね。あれはパネルに流れてる静電気が指に移ることで反応するんだ。だから手袋とかしてたら反応しないけどね」


「指に静電気が!?つ、つまり感電してるって事!?」


「えっ…ま、まあ、ある意味そうなのかな?」


「凄いなスマホは!人体の力も利用して反応するのか!いや〜さすがスマホ!人類の最新機器だな!」


「お、おう…」


 スマホ買って貰えて変にテンション上がってるな?


「さて、村上くん。せっかく私が最新機器スマホを手に入れたんだ。連絡先交換しないか?」


「!」


 そう、わりと西森さんとは仲良いし付き合いも長いのに未だにお互い連絡先を知らない。


「ついでにLINEも教えて貰おう、これでいつでもオタトークできるな!」


「そうだね、これからもよろしく」



 今日の西森語録「スマホは人類の最新機器」


 

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