第39話「ネイル」

「西森さんはデコネイルとか興味あるの?」


 学校帰りの駅のホームですれ違った大人っぽいお姉さんが、ちょっと見ただけでも印象に残るほどキラキラと盛りに盛ってるネイルを見てふと聞いてみる。


「まあ、全く興味ない訳ではないが私はやらないかな。絵を描く邪魔になるからな!」


 ああ、そう言えば西森さんは漫画家志望だった、いくつか見せてもらった事あるがめっちゃ絵が上手い。


「女の人って何で爪に盛るんだろ?男子ってさ、デコどころかマニキュアも基本的にやらないだろ?そりゃ中にはやってる男子もいるかもけど少数派だと思うんだよね」


「んー、でも私から見てもセンスあるネイルは可愛いと思うからやりたい気持ちはわかるんだよね。邪魔にならないなら少しくらいはやってもいいかも、まあ校則違反だけど。でもさ村上くん、それは男子もそういう所あると思うんだ」


「そういう所?」


「男子だって、虎や龍の刺繍の入ったスカジャンとか好きな人いるじゃん?他にも車もなんかデコトラ?とかあるしバイクとかもカスタムしたりする人いるだろ?村上くんだってガンダム?のプラモの改造写メ見せてくれた事あるじゃないか。何かしら『盛る』ってのはそういう感覚じゃないのか?」


「え、つまり女子のネイルってそれに近い感覚なの?」


「んー、どうかな?でもネイルを盛ってる時の楽しさは似たようなとこ、あると思うよ。ただ、男子は『カッコいいからやる』に対して女子は『カワイイからやる』だけど」


「なるほどなあ。そう考えると確かに男子も似た事してるかも」



 今日の西森語録「女子のネイルは男子のスカジャンやデコトラみたいなもの」


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る