第30話「ストッキング」
「ああっ!伝線したっ」
西森さんが放課後の下駄箱で叫ぶ。伝線?
「やっちゃった、結構目立つとこガッツリやっちゃったな」
スカートの端を少し捲り足を見てる。ああ、ストッキングが破れたのか。結構広範囲に破れてるな。いや、まあ、わかるんだけどちょっと目のやり場に困る。
「これはちょっと無理だな、替えも今日はないし脱いでくるよ」
そう言ってトイレで破れたストッキングを脱いでくる。昨日から急激に気温が落ちて来てるから生足が寒そうだ。
「何だか寒そうに見えるね…大丈夫?」
「大丈夫!というか知ってるか?村上くん。ストッキングは元々男性用のものだったんだぜ?」
「は?どういう意味?」
「昔の絵画とか見た事ないかい?ほら、美術の教科書に載ってるような。アレ、男性がぱつんぱつんの白いタイツみたいなの履いてる絵とかあっただろ?」
そう言われれば見た事あるな。気にした事ないけど確かにある。
「あれがストッキングの前身なんだよ」
「え!?」
「いいかい?村上くん。昔の男性は筋肉や肉体美を良しとしていた。だから身体のラインが見えるタイツっぽいのを男性が履いていたんだよ!」
「下半身を見せつけるのか…」
「つまりだ、村上くん。ストッキングは防寒のためではなく、足を美しく見せるためのものなんだ!だから破れたから寒いってのは…いや、ごめん、寒いわ…コンビニ寄っていい?替えのストッキング買うわ…」
「やっぱり寒いんかい!」
今日の西森語録「ストッキングは足を美しく見せるもの」
いや、語録よりもストッキングが元は男性が履くものだった方が衝撃だわ。
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