第29話「お酒は二十歳から」
「聞いてくれ、村上くん」
朝の通学路で西森さんに後ろから声をかけられる。下駄箱で会う事はあったが通学路で会うのは珍しいな、同じ電車だったのかな?
「おはよう、朝からどうしたの…」
「いやね、大した事じゃないんだけどさ、村上くんはお酒飲んだ事ある?」
「…ないけど、仮にあったとして未成年だから無いって答えるよ?」
「そりゃそうか。いやね、昨日夜パパが友達をうちに連れて来てさ、ずっとお酒飲んでたワケよ。それは別にいいし、友達のおじさんからお小遣い貰えたしでよかったんだけどさ。んでお開きになった後片付けを手伝ってたんだけど…」
西森さん、そういう片付けとか手伝う子なんだ、割と家庭的ないい子だな?
「ビールの空き缶が14個、瓶ビールの空瓶も3つくらいあってさ?友達と二人で飲んでた訳だから一人当たり缶ビールだけでも7本は飲んでるって事だよ?」
「結構飲んでるね」
「そうそう、二人ともグデングデンに酔っ払ってて…まあ、それはどうでもいいんだけど」
そこはどうでもいいんだ…。
「これさ、おかしくない?缶ビールは500ml缶だった。それが7本だと3.5リットル飲んでる事になる…」
「お酒強い人なら飲みそう」
「不思議だと思わないか?村上くん!例えばだ、お茶なら3.5リットルも飲めるかい?コーラなら?オレンジジュースなら?多少はそりゃ時間あるだろけど飽きずにそんだけ飲める?」
「い、いや無理だなあ、量もだけど味も飽きて来そう」
「だよね?なのに、お酒なら飲める人は飽きずにずっと飲んでる!なんだか酒って怖い飲み物だよな?」
確かにジュースならペットボトル500mlで十分だ、そう考えるとお酒ってめっちゃ危険な飲み物なのでは?
「将来、お酒を飲めるようになったら私もあんなに飲むようになるのかなぁ?」
「どうだろねえ…めっちゃ身体に悪そうで僕も何だか怖くなってきたよ」
今日の西森語録「お酒は怖い飲み物」
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