第27話「仲間を大事に」
「なんかさー。世の中って理不尽なのかな?」
学校帰りの駅までの道で西森さんが呟く。今日はまた哲学的な話かな?
「今度はどうしたのさ?」
「この前、村上くんに借りた漫画だよ。やたら『仲間を見捨てねえ!』とか『仲間だから大事なんだ!』みたいに言うシーン多くね?」
「ああ、アレか。確かにそうかも。仲間との友情みたいなのもテーマだからね」
「そこなんだよ村上くん!仲間を大事にするって当たり前の事だよ!別にカッコイイ事でも特別な事でもない、普通だ!なのに、だよ!さも感動的な話として盛られててさ…仲間じゃない奴を助ける、大事にするなら凄いとは思うけどさぁ?」
「あー、そういう見方も出来るか」
「でもでもだよ、『仲間を大事にする』ってのが美談になる。つまり、世の中は仲間を大事にするってあまり出来てないって事じゃないか!?」
「!?」
「そう考えると仲間だけど見捨てる、仲間だけど助けない、大事にしない、そんな理不尽な事が当然な世の中だから『仲間を大事にする』という話が美談として漫画や小説のテーマになったりしてるのではなかろうか?」
「確かに一理あるね…正しいと思う事が出来てない、だから正しさに感動があるのか」
「何だか将来、社会に出るのが不安になってくるよ…」
「だからこそ、せめて僕らだけは仲間を見捨てない、正しい大人になろうよ」
「そうだな!」
今日の西森語録「仲間を大事には当たり前で普通の事」
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