第26話「ガラスの靴」

「ガラスの靴ってあるじゃん?アレめっちゃ危なくない?」


 珍しくツナマヨオニギリを食べながら西森さんが言う。味噌カツは売り切れてたらしい。


「シンデレラのガラスの靴の話?」


「そうそう!ガラスだよ?ガラス!しかもシンデレラはダンスしたり靴が脱げるくらい急いで走ったりしてるわけよ?もしガラスが割れたら大怪我するじゃん?」


「それは考えた事なかったな…」


「つまりだ、もし割れないようなガラスの靴だとしたらヒールも低くて太く、横幅も分厚くて硬いし絶対履きにくいし、履いても足が痛くなりそう。何が言いたいかと言うとだ。ガラスの靴ってデザイン的にはダサかったんじゃなかろうか!?こう…足だけデッカいみたいな?」


 なるほど、そんな運動で壊れないためにはガラスならある程度の強度がいる。


「割れないために、体重を支えるために必要な分厚さはわからないけど少なくとも窓ガラスみたいな厚さじゃ割れちゃいそうだね」


「そう!めっちゃ分厚くて重たいんじゃないかな!?絶対見た目カッコ悪いんじゃない?」


 まあ、言わんとする事は分かる。でも。


「でもアレ、魔法使いが出した靴だよね?魔法がかかって軽くて割れなくなってんじゃないの?」


「それは…ズルい!」


「えっ!?」


 

 今日の西森語録「ガラスの靴は多分ダサい」

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