第22話「2文字」

「日本人は2文字好き過ぎじゃない!?」


 昼ご飯にサンドイッチを食べ終わり、小説を読んでいた西森さんが吠える。2文字?


「2文字って何?」


「いいかい?村上くん。今読んでるヤツが言葉遊びを多用するタイプなんだけどさ。言葉遊びって言うよりダジャレなんだよね。何か読んでてイラッと来たんだけど…」


 西森さん、割と自分で読んでる小説でモヤったりイラッとしたりしてるな。


「例えばこのシーン、『あめがふる』ってシーン何だけど作中では『雨』じゃなく『飴』が降るって話なんだけど」


 前後を読んでないからわからないがどんな話なんだよ、気になるな?


「この小説、そういうのが多くてさ。それでふと思ったんだよ。日本語って複数の意味を持つ2文字が多いなと。さっきの『あめ』の他にもさ、雲と蜘蛛、橋と箸、柿と牡蠣、『かみ』に至っては紙、髪、神と3つも意味がある。探せば多分もっとあるぞ!日本人、2文字の名詞好き過ぎじゃね?」


 そう言われて見ると確かに。まあ、言葉にする時は発音が違ってたりするし、漢字ならわかるけど…それだけを平仮名にされたならどっちかわからないなんてざらにあるな。


「どっちかを3文字以上にすれば間違えなくなるのに何で2文字で決めちゃったのか?何かこう…誰が決めたか知らないけど腹が立ってきた!」


「いやそんな怒るほど!?」



 今日の西森語録「日本人は2文字が好き」

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