第15話「タイムマシン」

「ビッグバンてあるじゃないか」


 昼休み、売店で買った味噌カツおにぎりを片手に西森さんが言う。どうでもいいが味噌カツ好きだな、味噌カツ以外のおにぎりを食べてるの見た事ないかも。


「確か…宇宙の始まりにあった大きな爆発なんだよね?」


「そうそう。それって不思議じゃないか?例えばだ。この味噌カツおにぎりを爆発させようとする。少なくともここでじっとおにぎりを見つめてても爆発しない」


「そりゃそうだ」


「何らかの圧があって初めて爆発する。つまりだよ村上くん。宇宙の誕生がビッグバンという爆発によって起きたのであればだ、その爆発は何かしら圧があったはずだ!そもそも何もない所に爆発があったって事自体が不自然だと思わないか?」


 まあ、確かに宇宙の始まりはビッグバンという爆発という説は耳にするがその爆発前は何もない空間だとか聞いた事あるな。


「それで、西森博士は何があったと思うの?」


「これはね、私はタイムマシンが存在したんだと思う!」


「タイムマシン!?」


 想像を超えて来たな!


「タイムマシンでどんどん過去に行くとやがてはビッグバン以前の、つまり何もない所へ行ってしまう。事故か故意かはわからないが時間を超えてそこに行ったんだよ」


「え、じゃあそのタイムマシンは爆発に巻き込まれるじゃん」


「そうだね…でもそれくらいでなきゃ『何もない所』が爆発したりしなくない?このオニギリも」


「いやオニギリ爆破させようとすんなよ」


 まあでも面白い説ではあるな。タイムマシンは大袈裟かもだけど、ブラックホールとかまだまだ解明出来てない自然現象も山ほどある。タイムマシンじゃなくて広い宇宙で自然現象として偶然時間を超えてしまった物質とかあって、それが『圧』になったのかも知れないな。



 今日の西森語録「ビッグバンはタイムマシンが起こす」


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