冒険者と鬼ごっこ・・・・的な、性癖暴露会





「あ"ぁっ! クソッ、どっか行けよお前ら!!」



 やぁ! 僕だ!

 ただいま冒険者たちに追いかけられててホントに止めて欲しいって思っている最中だ!


 え? 何故こんなことになったのかって?

 ふっふっふ、それはだな―――



「あぁ、もう、本当にバカ!! なんでギルドに入った瞬間に目ぇつけられるかなぁ!?」


「―――お前らぁ! こっちだ!!」


「テメッ――――仲間呼ぶなよ!! くぅろすぞ!!」


「美少女に殺されるなら本望!!」

「そうだそうだーー!!」

「踏まれたい、その美貌」

「・・・・そうか、これがツンデレというやつか」

「オレ、あの子のこと好きだ」

「フッ、勝負だ、同士よ」



 クソっ、なんでこんな変態ばかりなんだ!?

 性癖さらけ出してんじゃねぇよ!?

 冒険者の強靭なメンタルってここで出すもんじゃねぇだろ!?

 意外と性癖さらけ出すのキツいものがあるんだならな!!



「僕はかわいい娘しか受け付けねぇよ!!」


「なぬっ!?」

「ここにきて、百合宣言―――だとっ!?」

「あやつ、なかなかやりおるな」

「なかなかに拗らせているな・・・・・・だがそれがいい」

「百合、遠くから見守るべし」

「奇遇だな、同士よ、考えが合ったじゃないか」


「分かったかコノヤロー!? 分かったら返事しろ!!」


「な、なんだっ!? このっ、溢れ出るパワーは?」

「くっ、満足感で身体が満たされている!!」

「命令口調、それもまたよし」

「これが巷で噂のドSなお嬢様ってやつか・・・・・・いいものを見させてもらった」

「ハイッ!! お嬢様、何なりとお申し付けください!!」

「ハイッ!! 以下同文です!!」


「くっ、キモさがプルスウルトラしてやがる!!」



 触覚アメリカンジョークもビックリだよ!!


 そして・・・・・まぁ、なんだ?


 急に大人しくなるじゃん?

 しかも、僕の方をずっと見てるし。ちょっと怖いんだけど?

 そして、なんだっけ? 『命令してください』って言ってた?

 あぁ! ちょうどいい!

 ネルを見つけるために利用してやるとしようじゃないか!!


「えーと、じゃあ君たちに質問する。えっと、かわいい美幼女フランネル見なかった?」


「見たぞ、マジ可愛かったな!」

「あ! それ俺も見た、あれはもう天使みたいな可愛さだ!」

「あぁ、見た。精巧な魔導人形かと思ったが、お前の連れなのか?」

「ヤンデレの波動を感じたな」

「素晴らしいほどに美しかったな!」

「あれこそが眼福っていうもんだと学んだな!!」


「ふふ、そうであろうそうであろう!!」



 初めて考えが合ったな!!

 みんながネルのことをかわいいって思うのは至極当然のことなんだがな?

 まぁ、その本人がいないんだけどね?

 あぁ、だから質問してんのか。

 ――何言ってんだ僕は?



「じゃあ次の質問、その娘どこにいるか分かる?」


「うーん、多分だけど冒険者ギルドにいると思うぞ?」

「俺もそう思うな」

「十中八九、冒険者ギルドだろう」

「健気な感じが年相応な態度を表していて、実に良かったな」

「ギルドに――――」


「 "実に良かった" じゃねえよ、縛られたいか?」



 縛って騎士団に投げ渡してやりたいな気分だ。

 こんな輩と一緒にいたら、頭がおかしくなりそうだ・・・・・だってキモいんだもん。

 え? なんでって?

 そりゃあ―――――



「縛りプレイ・・・・・・・ニチャア」

「縛られたい・・・・・・・・・ニチャァ」

「くっ、これはこれで・・・・・・ニチャア」

「せめて鞭にしてくれよ・・・・・? ニチャァ」

「少しくらい痛くても・・・・・ニチャァ」

「むしろ痛くして・・・・・グヘッ」


「・・・・・・・やっぱ騎士団にぶん投げよっと」





 騎士団に

 丸投げしよう

 ゴミ処理を


 作・ルナ



 ――――――――――――――――――――



『ルナぁ、もうそろそろ手紙読んであげてもいい頃じゃないかな? ・・・・忘れてるだろうなぁ。まぁ、仕方ないか、僕も忘れてたしね? ハァ、まったく、少しくらいは休みが欲しいもんだね、ブラック上司が』

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