信頼って大切 可愛いは正義




「起きろ。事情聴取を行う」



ん? 兵士か・・・・・。


・・・・・・寝てるふりしてよ。

めんどくさいし。


コミュニケーションって、めんどいよね〜



「うみゅ・・・・・・?」



お、・・・・ネルか。


ん?


・・・・・・なんでネルと一緒にいるの?



「・・・・・・ネル、どうやってここに?」


「・・・・離れないでっ、・・・・ずっと、一緒にぃ・・・・・♪」


「嘘でしょ・・・・?」



これ寝言・・・・・?


ずいぶんと愛が深いようで。

病んでしまわないか心配だよ、僕は。



「聞こえているのか? 事情聴取だ。」



・・・・っ、るさいなぁ、もう。


せっかくネルの寝顔を見て安寧に浸っていたのに、全部が台無しだ。


コイツいつまでいるんかなぁ、はっきり言って邪魔なんだけどなぁ?


・・・・さっさと無実証明していちゃいちゃしよっかなぁ?


うん。そうしよ。



「分かったよ。・・・・起きてネル、行くよ?」


「・・・・ん、わかった。一緒、がいい、から・・」



くっ、可愛いっ・・・・・!


終わったら精一杯愛でよう。

添い寝する。

絶対、する。



「こっちだ、付いて来い」



愛でる時間が減ったらいやだ。

早く行こ! はよ!


準備は既に終わっている!


ちょっくらRTAしてくるわ!



「手短に頼むよ?」



頼んだからな?




――――――――――――――――――――




「つまり、貴族の方から先に仕掛けてきたことであり、自分達はあくまでその対応をしただけだと?」


「だからさ、そう言ってるだろう?」


「あるじは嘘、吐かないよ?」


「・・・・だがな、こちらも困ったことになっているんだ」



ほう、困ったこと?

気になる。



「一体どうしたんだ?」


「・・・・・・実はな、君の身柄を寄越せと言っている人がいるんだが・・・・・」



へぇ〜。

まぁ、僕みたいな超絶美少女に虜になるのは許さないとして・・・・・

そんなアホみたいなこと、一体誰が・・・・・


・・・・昨日見たな、同じようなアホを。



「・・・ハァ〜、懲りない奴らだな」


「・・・・察しの通り、あの貴族だ。すまないな、我々の不手際のせいで」


「いや、あなたは仕事をしただけだろう? 無駄にプライドを張っていないようだし、十分信頼できるよ?」



それに、あの貴族のこともボコボコにしなきゃと思っていたしね。

完膚なきまでにやってやろうとも!



「・・・・そうか。あと、これは貴女宛の手紙だ。リオネス学院の学院長からの手紙だ。渡すように頼まれてたのでな」


「手紙? 学院長?」



それに、リオネス学院なんて聞いた事もないんだが?



「リオネス学院と呼ばれる、実力主義の学院だ。有名な魔術師や騎士は大体ここを卒業している。学院長はその学院のトップだ」


「へぇ〜、そりゃあすごいな」



実力主義の学院かぁ〜。楽しそうだな?


まさか、通うことになったりして! (フラグ)


まぁ、そんなこと無きにしも非ずだから問題ないでしょう。


フラグなんてそんな簡単に立つもんじゃないし。


昔はフラグ一級建築士なんて呼ばれてたけど、ここにきてからも続くなんて、有り得ないからね! (フラグ)



「よし、これで事情聴取は終わりだ。学院長から出所の許可を頂いているから出ていいぞ」


「ん? また学院長か?」



なんか狙いでもあるのかな?

知り合い・・・・・なわけないか。


知り合いって言っても、師匠ぐらいしかいないしね。

その師匠もどっか行っちゃったしさ。


普通に心配。


まぁ、今は出ることを優先だ!


さぁ、ゆこう!

まだ見ぬ土地を観光しに!



「兵士! ありがとうな!」


「お礼なら、学院長に言うといい。それと私の名前はガイアだ」


「あぁ、覚えておくよ!」



ガイアね。ガイア。


・・・・・よし、多分覚えた!

これで忘れることは多分無いでしょう!



「ネム、行くよ?」


「・・・・・ん、わかった」



さぁ! 出発だ!






・・・・・・手紙は後で読も。

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