番号88
確かにチャンスだった。
あのタイミングで動いた事に間違いはない。卜部先輩も同時に動いていたんだし。
ただ、動いた方向が間違いだった。
同時にチャンスだと判断した卜部先輩と同じ方向に突進してしまったのだ。
そのため、僕を気遣って卜部先輩の体勢が崩れる。
僕なんか、説明するまでもない。卜部先輩を邪魔しちゃいけないと思って、慌てて身体を捻った。
そのまま、たたらを踏んで周囲を取り囲んでいる手下に向かってしまう。
手下の一人も慌てたのだろう。元々、暴力に躊躇いが無いタイプだったのか。
僕に向かって打ちおろしの右拳を放ってくる。
かわせるはずが無い。
ゴッ!!!
「――――!!」
トマさんの声が聞こえる。
それが僕の最後の記憶だった――
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