番号76
布団を並べて敷いて明かりを消してみた。
それで真っ暗闇になることは無い。カーテンの向こう側からは外灯の明かりが忍び寄ってくるし、エアコンとか、充電中のスマホの明かりとかは思った以上に自己主張してくるものだ。
つまり闇に睡魔の育成を委ねるには問題があって……
「エアコン、つけっぱなしで大丈夫かな? タイマーは付いてるけど」
「うん、それで良いんじゃない? というか家主様の判断に従うよ」
横になってからの方が話が弾もうとしていた。
僕に限っての話だけど、トマさんの姿を直接見ないことで、リラックス? とにかくそういう感じになったようだ。
実は一瞬だけ見えた、髪を下ろしたトマさんにドキッとしたりもしていたのだけど……待てよ。眠れなくなったのそれが原因か?
こうして僕とトマさんはリラックスした状態で、記憶を探ったり、トマソンへの思いを聞いたり……それから何を話したんだっけ?
とにかく、いつしか僕たちは眠りに身を委ねることが出来たようだ。
先に眠ったのは、どっちなのかもわからなく……
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