番号75
USBに入っていた一つの画像に注目する。
なにしろ、何がどうなっているのか一目ではよくわからなかったからだ。
「まず、石の階段があって……」
一緒に見ているトマさんが口に出して確認する。
「そうですね。その階段の上に重ねるようにして金属製の階段がおり曲がって設置されている」
さらに佐久間さんが口に出した。
確かにこの二人が言ったままの画像がモニターに映し出されている。
どうやら先に設置した石造りの階段が急すぎたことが原因みたいだ。
そこで、石の階段の上に重ねるようにして金属の階段を小規模な九十九折りにして、急すぎる坂を緩和して登れるようにした。
それがこのトマソンが発生した理由のようだ。
……いや、これはトマソンなんだろうか?
少なくとも金属製の階段は役に立っているよなぁ。
ということは石の階段の方がトマソンなのか?
「これは、金属製の階段の裏側とかに隠せるかも知れません。とにかく一度確認していただけると助かります」
「わかったわ」
そうか。
遺言状を探すのが目的だもんな。トマソンの定義とかは後回しで良い。
トマさんの返事と共に僕は気持ちを切り替えた。
・屋内のトマソンを確認。番号19へ
・壁に張り付いた扉と階段を確認。番号61へ
・全ての画像の確認は終わった。番号41へ
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