番号70

 翌朝――


 本当にまだ朝と言っても良い時間帯だろう。何しろ午前八時。こんなに早く動き出すのなんて、仕方なしに一限目の授業を取って以来かもしれない。


 逆にトマさんはずっと元気で、本当に快眠快食という感じだ。

 トマソン巡りに心躍るという風情。記憶を無くしても、トマソンへのこだわりは忘れないんだから、駕籠屋さんとの交流もやはり社交辞令なんかではなかったんだろうと思う。


 となると、トマソンに遺言状を隠すなんてことも、割とあり得るのかもしれない、と僕も改めて気合いを入れ直した。


 さて、候補となるトマソンは四つ。

 どこから回るべきなのか……


・階段が重なっているトマソン。番号97へ


・地下道のトマソン。番号67へ


・空中階段付き扉のトマソン。番号101へ


・原爆型トマソン。番号104へ

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