番号55
佐久間さんは身を乗り出しながら、スマホを僕とトマさんに見せてきた。
何しろタクシーに乗り込んだ順番が、トマさん、僕、佐久間さんなのでこういうことになってしまう。
「ん? これもトマソンなの?」
「はい。こういう名称が適切かどうかはわかりませんが『原爆型トマソン』と言われているようです」
原爆型……確かに不穏当な名称だけど、壁に古い木製の一戸建ての姿が写真のように貼り付いている画像。それは原爆が落ちた時の現象によく似ていた。
教科書で見た記憶がある。
もちろん原爆が落ちたわけではないんだろうけど、このトマソンが見つかったと言うことは――
「もしかして最近発見されたとか、ですか?」
「そうです。ちょうどこれも北部にありましてね。再開発の一端で古い建物は整理していってる最中に発見されました」
やっぱりか。
佐久間さんは一つ頷いて続けた。
「最近発見されたトマソンについては、ネット上で画像を集めてるだけでは気付かないことが多いようです。そちらの英賀さんのおかげで候補が増えました。助かります」
確かにそれはそうだ。
英賀先輩にもキチンと伝えよう。
僕がそれは間違いなく、と伝えるとさらに佐久間さんが詰め寄ってきた。
「それどうですか? こちらも確認していただけませんか?」
当然そういう話になるよなぁ。
さて僕は――
・それは一番有望なのかもと答える。番号82へ
・今まで発見されてないのでは、望み薄なのかも……。番号64へ
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