番号19

 画像だけではよくわからなかったが、英賀先輩の注釈によると、地下通路の途中であるらしい。

 上には操車場があって、その下を通っている通路ということだ。


 本当に何でもあるな駕籠市。

 一緒に確認していた佐久間さんはそれで見当が付いたみたいだけど、このトマソンの存在までは知らなかったようだ。


 そのトマソンは、見るだにまったくの無駄だった。

 通路の途中で三段ぐらい下がって、それから十メートルぐらい進むとやっぱり三段上る。


 それだけならまだ良いのかもしれないけど――良くないけど――その段差の横に段差も何も無い平坦な通路が通っているのが最高にわけがわからない。

 どういう経緯でトマソンが出来てしまったのか想像することも難しい。


 あるいは、想像すら難しいからこそ、もっともトマソンらしいものなのかもしれない。

 改めて鑑賞の方法を考えてみるのも……違った。


 今はそれよりも優先するべきことがある。


「佐久間さん、さすがにここに遺言状は……」

「ですが、人目に付かないことは確かです。それに雨露を凌げるわけですから――」


 そう言われてしまうと、否定することも出来ない。

 それに……


「実際に行ってみればはっきりするわよね」


 なによりトマさんが乗り気だ。

 本当にトマソンであれば何でも良いみたい。


・階段が重なっているトマソンも魅力的だろう。番号75へ


・空中に浮いた扉と階段は王道という気もする。番号61へ


・三カ所確認が終わって、さあ次は……。番号41へ

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