番号14
「彼女」は仰向けに寝転がっていた。
昼寝をしている――そんなはずはないのだが、一見そんな風に勘違いをしてしまいそうな、雰囲気に穏やかさがある。
それは薄手の白いシャツを押し上げる「彼女」の胸がゆるやかに上下しているからだろう。
生きている――それを確信できた事が大きい。
胸元には……何とも不思議なアクセサリーがあった。ペンダントなのだろうか? クリーム色の飛脚みたいな格好のウサギが吊り下げられている。
革製に思えるベスト。
キャメル色の長めのキュロット。サファリルックと強引にカテゴライズしたいが、きっとファッションにうるさい連中からは怒られるだろう。
キュロットから伸びた日に焼けた足。履いているのは、少し大振りに見えるスニーカーだった。
全体的な印象としては活動的になるな。
そして視線を上げ、顔を確認すると……目は閉じられているけど、それでもわかる整った面差し。美人と言うよりも可愛いらしい、という方向で。
活動的だという僕の印象を裏付けるように、髪はサイドテールにして左側にまとめられていた。
目にも涼やかなコバルトブルーのシュシュで。
その色で思い出したが、対照的な赤――血を流している様子もない。
再び安堵のため息を漏らす僕の視線の先で、
「う、う~ん……」
「彼女」はいきなり目を開けた。
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