第7話 東郷という存在
平常心になってから社長室に昴と戻り、みんなできちんと話し合った。
結果、冬夜の意思を尊重して熱愛を認めることになった。
もちろん翌日には記事が文春に載り、報道、ネットニュースにもなった。また、事務所が熱愛を認めた為、余計に注目の的になった気がする。
撮られたということは家がバレてる可能性があるため冬夜は一旦、家から離れることになった。
急遽のことだったが、社長が冬夜の住むところを、電話で知り合いに聞きまくってくれた。
「東郷のところが、空いてる所があるから住んでいいって言ってくれた!セキュリティもバッチリで家具や家電も置いてあるらしいよ。もう今から行っていいって!良かったな!ただ同じ階に、高校生の東郷の子が住んでいるけどいいかって言われたんだけど、東郷の子以外は同じ階に住んでないらしいからいいよな?男子って言ってたし!あんまり部屋からは出ない子って言ってたけど、もしも会ったら挨拶だけしといてー。」
社長は普段は頼りないような雰囲気を纏っているが、実際はとても頼りになる人だ。
それにしても、知り合いが東郷にいる社長もすごいし、急遽だったのに対応してくれる東郷もさすがだなと思う。
東郷とは不動産からアパレル、サービス業など様々な業界に手をつけていて影響力を持っている一族だ。芸能界でも一目置かれる存在であり、この業界に足を突っ込んでる人で東郷という名前を知らない人はいないだろう。
ただ、東郷一族は自分達の名字が知れ渡るのを酷く嫌っていて、表向きに東郷という名前は出ていない為、一般的には知られていない。
それに東郷という名前は知っていても誰が東郷の人なのか認識できてる人は数少ない。
10年以上前から社長のことは知ってるけど、思っている以上に只者ではないのかもしれない。
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