第5話 スキャンダル ☆

 

 "男性アイドルグループ-AZURE -"。


 この肩書きを一度も汚すことなく9年間5人でやってきた。


 しかし、今年で10年目だという時にメンバーの冬夜が彼女といるところを週刊誌に撮られた。

 

 しかも事務所は冬夜の熱愛を認める方向でいる。


 元々冬夜に彼女がいるのは知っていたし、結構長く関係は続いていた。

 

 アイドルという存在であるのであれば恋愛はしないべきというのが俺の考えだが、恋愛禁止というルールは無いから、冬夜の恋愛に対して口を出したことは一度もなかった。 


 でも撮られたら話は変わってくる。


 急に連絡が入り、メンバーと限られた関係者だけが冬夜の熱愛の件で社長室に集まっていた。

 

 「ねえ、何で撮られてんの?しかも熱愛認めるってどういうこと?事実だとしても否定しろよ。この写真だったらまだ言い逃れできるだろ?なんでだよ。」


 俺は冬夜に問い詰める。


 自分自身に歯止めが効かない。


 「本当にごめん。危機感が足りなかったと思ってる。でも人間として一人の男として、逃げるんじゃなくて堂々としていたいんだ。」


 「は?謝れば済むと思うなよ!なにが堂々とだよ。今までこっそり恋愛してた分際が今更堂々とするんじゃねえよ!」


 冬夜が何考えているかが全く分からない。


 俺がヒートアップしてると周りは、一旦落ち着いてとなだめてきて、それがさらにムカついてくる。


 そんな中、昴が肩を組んできた。


 「岳、美味しいものでも食べに行こうぜ。」


 そう言って、昴は強引に俺を社長室から連れ出した。


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