第16話『緊急イベント発生④』

幸いドラゴンが発した光線は上からコウを狙っていた為、入り口まで木々が消し炭になってはいない様だ。


(今のステータスなら・・・)


ストレージを開き、剥製の様になったドラゴンの前足を掴む。


「はぁぁ・・・ふっ!」


ズズッ・・・


力を込め引っ張ると、くっ付いていたドラゴンが

ズレたドラゴンをストレージに入れていく。

どうやらストレージのゲートは収納する物のサイズに合わせ自動で大きさを変えてくれるらしい。


「やっぱり、この力はステータスのせいか。仕方ない・・・」


-創成術『ステータス制限』-


創成術により、ステータス補正のみを制限し固定する。

これにより、解除しない限りこの世界の平均と変わらないステータスになっただろう。

帰り際に斬り伏せていった魔獣や魔物を回収していく。

あれだけの咆哮だった為、人が集まってしまわないか心配だったが、どうやら問題なかった様だ。


(疲れた・・・今日はもう寝よう)


その日はそのまま、宿へと帰ったのだった。


翌日、コウはギルドの解体場へと来ていた。


「はい、ギルドカード返しますね」


解体をしていた男性に声をかけ、ギルドカードを渡して確認をとる。

身に付けていた解体用の分厚いエプロンと手袋には解体した際の返り血が付いており結構臭いがキツい。

男性は再びエプソンと手袋を着直すと、コウを解体場へと案内した。


「じゃぁ、こちらに討伐した物全て出して下さい」


前世で行ったコス◯コの様な広いコンテナハウスの様な建物内には、キッチンや巨大な包丁等、解体に使う道具が無造作に置かれている。

何人かは解体の最中だった。


「じゃぁ・・・」


コウは、空間術がバレない様に解体場へ来る前に大きめのショルダーバッグを購入、中にゲートを創る事で擬似マジックショルダーバッグの様に見せかけた。

中からニードルラビット、衣鳥、森で狩っていたゴブリン、岩を鎧の様に身に纒う狼ロックウルフ、成人男性程のサイズでのMMAを駆使して戦う猿、拳猿けんえんなどを出していく。


「これは・・・見事ですね」

「おいおい、どれも綺麗なもんじゃねぇか」

「あれ!拳猿じゃん!俺に解体させてくれよ!」


数としてはそれ程多くは無かったが、子供1人が倒すには難しいランクの魔獣がいた為、解体をしていた者達も手を止め騒然となった。


(何も考えずに出しちゃったけど、凄い見られてるな・・・)

「それで、こいつらは全部解体、素材は全て持ち帰りでいいですか?」

「はい、お願いします」

「わかりました、今日の夕方には終わります。素材をお渡しの際にギルドカードに討伐の記録をしますのでまた提出して下さい」

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