第2話『勝手に最強にされた②』

「知識?」

「そう!実は、僕は最近生まれた神でね。神は生まれた後に自分の世界を創造しそれを見守っていくんだけど、僕が創った世界は10000年と保たずに滅んじゃうんだ」


どうやらこの神は自身が創造した世界を永く繁栄させる為、地球の神からその世界に住む人を1人引き抜き、どうしたら良いのか聞きたいらしい。


「それでたまたま俺が選ばれたと?」

「あぁ!地球は数億の間繁栄している世界だ、そんな永い歴史を持つ世界は他にないからね。是非君の意見が聞きたい!」


確かに地球は永い歴史を持つ。

神にとっては世界が続いていればどんな世界でも良いのだろうか?


「今まではどんな世界を創ってきたんだ?」

「それはもちろん、地球を参考にした世界さ。他の神達だってそうだよ?」

(それってパラレルワールドの正体なんじゃ・・・確かに、1番良いものを参考にするのは当たり前の事だけど。だったら・・・)

「なぁ、せっかくなら、今まで創った事のない新しい世界を創らないか?」


虹は思いついたアイデアを話し始めた。

それは、ファンタジーの世界。

魔術があり、人以外の種族が存在する世界。

一度は誰もが夢見て憧れた存在しなかった世界。

虹の話しを聞いた神は次第に彼の話しを子供の様に目を輝かせ聞き入った。


「素晴らしいよ!そんな世界知らなかった!」

「知らなかったって・・・神様って、自分の世界で起きてる事を気にしたりしないのか?」


神が自身の世界を見ているなら、ファンタジーやSFなどの知識はあって当たり前なのではないだろうか?


「基本的には世界そのものしか興味ないんだ、えっと・・・そうそう、地球儀だっけ?あれを見てる感じ、その中で何が起きてるかは気にしない神が多いんだ」


何とも適当だなと思う。

創ったら後はそのままとは、それが神の当たり前の感情なのだろう。


「僕達は自分が創った世界に干渉はしない。それがルールだ。だから、ベースを創り、後はそこに生まれた者達に任せるのさ、生き死にもね」

「そっか、神様も何でも出来るわけじゃないんだな・・・」

「でも、僕は自分の世界がどう繁栄していくのを見るのが楽しみなのさ!特に君の話してくれた世界は最高だ!これなら絶対に上手くいくよ!」


神は嬉しそうに紅茶を飲み干す。

空になったティーカップには新たな紅茶が自然と湧き出していた。


「さて、ベースは出来た。後は世界を永く保つ為に、何かしてあげたいな・・・」

「だったら、俺みたいに神様の所に誰か呼んで、力を与えて世界を破滅しない様にしてもらえばいいんじゃないか?」

「力を与えて?」

「あぁ、チートってやつだよ。えーと・・・」


虹は自身が読んだ事のある異世界転生の書籍の知識を神に伝えた。

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