村に行く
朝起きたら、グラハムがいた。
朝チュンというシュチュエーションにあこがれている俺であるが、正直に言おう……おっさんの朝チュンは正直キツイ。
……まあ、この状況。正確に言えば朝チュンではないが。
「ラプラス。今日は、村に行くぞ」
「ふぁ……へ?」
そう言われて、グラハムに取れだされて現在。
俺は家の近くの村にやってきていた。
村の周りには一面の田畑が広がり、居住区格というべき場所は、木の策で囲われている。
俺がグラハムの後をついて、村の入口に行くとそこには槍を持った男がいた。
「お? おお! グラハムか!」
「よお! わが友、イェーガー。今日は我が息子を連れて来たぞ!」
そう言ってグラハムは、槍を持った男と抱擁をした。
「いやはや、それで? その子がお前の息子のラプラスか?」
「そうだ……可愛いだろ?」
「ああ、お前の嫁に似て美人なこって」
「がっはっは! そうだろ?」
「将来は、きっとモテモテだ! お前に似なくて良かったな~」
「がっはっは! そうだ……って、オイそりゃどういう事だ⁉」
そう言って首根っこを掴もうとしたグラハムを避けて、イェーガーは俺の前でしゃがみ込んだ。
「やあ、初めまして。俺の名前はイェーガ―お前さんの父親の友達だ」
「……ラプラスです。グラハムの息子です」
そう言ってぺこりとお辞儀する。
「ああ、よろしく。いや~、やっぱりお前、この子拾ってきただろ~お前と違って、礼儀正しすぎるぞ~」
「な、テメェなあ!」
「ぎゃあーーー痛い痛い、本気すぎるって」
そう言って、じゃれ合う大人二人を蚊帳の外にいる俺はジト目で眺めていたのだった。
【閑話休題】
「いていて~」
「ああ、そうそうイェーガー。お前さんの娘って今連れてこれるか?」
唐突に、そうたずねたグラハムの言葉に、少し目が天になってイェーガーは答えた。
「ああ、ティナか? ああ、いると思うが……なんでだ?」
「いや、なんというか。家のラプラスと会わせたいなと思ってな、ほら、この近くで都市が近い子って、ティナちゃんくらいだろ?」
「確かにそうだな、ティナにも同い年の友達がそろそろいた方がいいだろうって俺も思ってたしな……よし、分かった」
グラハムの言葉にそう頷いたイェーガーさんは「ちょと待ってろ……あ、俺の代わりに見張っとけよ~」と言って、村の中へ消えていった。
その様子を見送り、俺はグラハムに尋ねた。
「……ティナちゃん?」
「ああ、こいつの娘さんで……お前と同じ四歳の女の子だ。いい子だぞー」
「……ふーん」
「興味なさそうだな、お前」
そう言ってジト目を向けるグラハム。
確かに、興味なさげに返した俺だったが……俺は、ティナという女の子に対して興味を抱いていた。
何故なら、ティナという少女は『黒黒』内に登場していたからだ。
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